デーククラフトがFRP燃料タンクを作るきっかけになったのは、店主を含めて旧車のタンクが錆びて困っている方がたくさん居たためです。カウルやシート、フェンダーなどは社外品のFRP製品が手に入るためそれほど困りませんが、燃料タンクは社外品がほとんど出回っていませんでした。多くのみなさんがネットオークションなどで中古品を入手するわけですが、程度の差こそあれ少なからず錆が発生しており、『そのうち穴があく』を繰り返すというパターンでした。高温多湿の日本では冬でも燃料タンク内で結露が発生して水が溜まるため、通勤や通学などで頻繁に乗る方でなければ、錆が発生します。これは多くのバイクが鉄製燃料タンクを使っている以上避けては通れないことで、それじゃぁ絶対錆びない燃料タンクは?と考えたときにたどり着いた答えは二つでした。アルミもしくはFRPです。アルミは高い質感を実現できるのですが、STDの形状を再現しようとすると金型が必要になるためコストがかかり、また高度なプレス技術も欠かせません。うちのような個人商店にはハードルが高すぎました。FRPは質感と経年変化によるクラックが心配だったのですが、製造方法を工夫することで高い耐久性が実現できますし(既に40年近い製造実績があります)、質感に関しては完璧にSTD形状を再現することが可能ですので、高品位な塗装を施すことで純正に引けを取らない質感が実現できました。