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インターネット時代の旧車趣味

先日から『ちょっと旧いバイクはいいですよ~』みたいなことを書いてたら、『でも補修部品の手配とか大変じゃないですか?』と質問があったので、今日はそのあたりについて書いてみます。

 

現在国内2輪メーカーは、純正部品の供給を早いもので生産終了から10年、長くても15~20年で終了します。ただし消耗品として定期的に一定数が消費されるパーツや、多くの機種で兼用されているような汎用性の高い部品などは、その限りではありません。Z1/Z2の純正部品がいまだに手に入ったりするのがその一例です。(Z系は長期・多機種にわたってパーツが兼用されていました)またマイナー機種は割と早い段階で部品供給がストップするので、車種によってはコンディション維持に苦労することになります。

 

ただインターネットが広く普及して以来、これら旧いバイクに関する情報はネット上に溢れています。『〇〇の部品が〇〇に流用できるらしい』『〇〇というショップが今度〇〇の部品を出したぞ!』といった情報は、瞬く間に世界中に拡がります。弊社で現在展開しているFRPフューエルタンクシリーズは、タンクでお困りの旧車ユーザーのみなさんに使っていただきたくて開発したモノですが、HPやSNSを見て問い合わせいただく方の中には多くの外国の方が含まれます。

 

よく旧車を買ってみたいが『維持するのが大変ではないですか?』という質問をいただきます。私の答えは『はい大変です』これには『ただし』が付きます。旧車は現行車のようにバイク屋に行って部品注文したら1~2日で届くなんてことはありません。出先で不意にエンジンが止まってしまうこともあるでしょう。ですからそういったことが絶対にイヤだという方は、素直に現行車を買うべきです。ですが先程も書いたとおりインターネット時代とも言える現代、情報のソースは世界中に拡がっています。また名車と言われるものには熱心なオーナーズクラブや、それを愛する情熱的なショップが存在します。ないパーツを自分たちで小ロットだけ作ったり、旧いパーツをストックしていてシェアしたりと工夫しているみなさんが沢山います。あとは乗り手の情熱があれば乗り越えられないような困難ではないと思うのです。

 

旧いバイクを買って泥沼にはまっている人をこれまで何人も見てきました。でもそれらの人達は端から見ててもそれほど不幸には見えません。『まったくすぐ壊れやがって!』なんて言いながらニコニコしているからです。『不便だけどそこがいい』そんなちょっとねじ曲がって変態チックでDEEPな世界、現行車に乗っていては決して体験できないそんな世界を覗いてみるのも、立派なオートバイ文化と言えるような気がするんですけどねぇ。