昨日は実行委員として携わっているHSR九州のイベント、鉄馬 with βTITANIUM 走行会でした。例年このイベントでは午前中を使って、サーキットを走る際に必要な情報をレクチャーするスクール(座学)を開催していましたが、今年はより多くの皆さんに聴いていただきたくて、昼休み1時間の講義に変更しました。時間を短くしたためレースに関する知識全般というわけにはいかなくて、今年のテーマは『ブレーキ』。一つの分野に絞った内容でお話ししました。
サーキット走行においては一般公道とは全く違った次元の負荷がマシンの各部に掛かります。ブレーキもその一つです。ロングコースとは言えないHSR九州でも、バックストレートでは200キロを超えるスピードから60キロぐらいまで急減速しなければなりません。ブレーキディスクやキャリパーにかかる負荷は大きく、摩擦によってスピードをコントロールするため多くの熱を発生します。その熱量は一般公道のそれとは比較にならないほど大きいため、上手にパーツを選択しないと危険ですらあります。最近では公道用カスタムパーツだけでなく、レース専用品も一般ユーザーが入手できるようになった反面、種類も多くピンポイントの性能を追求した尖ったパーツも多いため、上手にチョイスしないと高いお金を払ったのに、思ったようなパフォーマンスを得られないことも多いのです。
今日は知ってるようで知らないブレーキシステムの基礎知識をお話ししたつもりですが、終わってから振り返ってみると『もっとあんなことやこんなことも説明すればよかったかなぁ』と反省点ばかりが気に掛かります。広く多くの皆さんに情報を理解してもらうのは難しいですね。
今日受講してしてもらった方たちだけでなく、不明な点があれば電話でもメールでも結構ですので、いつでも遠慮なく質問してください。時間のある時にわかる範囲でお答えします。長くレース業界に身を置いた自分の情報や知識が、少しでも次の世代の活動のベースになっていけばこんなにうれしいことはありません。
また終了後受講者の方から『もっとちゃんと告知して沢山の方に聴いてもらった方がいいですよ』とも言われました。すみません、次回から告知にも力を入れます。
画像提供 月刊 with BIKE